Café de Yumi

オルガニストYumiと音楽食住を語りあうCafé

教会オルガニスト

Guten Tag! 

 

11月に入り早くも中旬、日本と時差が8時間になり日本とのやりとりに未だ時間感覚のズレが…。

さて、Saarbrückenの先週末は、素晴らしい秋晴れ🍁

f:id:yumi-o:20211115092511j:image

....を最後にし、週明けそして今週も今日もかれこれ6日ほどずっと霧に覆われてます。しとしと降り続ける雨で1日中暗〜い日々。。。

いえいえ、これから更に暗く寒さも厳しくなりやがて雪へと❄️

先週はもう−2℃更新😢すでにめちゃくちゃ寒いです!11月初旬でこんなに寒いとどうなるんだろうか....この冬☃️ 見るからに寒そうなご近所さん⬇️

f:id:yumi-o:20211115095314j:image

さて、そんな秋晴れの先週末の土曜日は街の中心にあるプロテスタントのJahanneskirche(ヨハネス教会)で毎月開かれているHÖRZUというシリーズコンサートでオルガンを弾いてきました♫

f:id:yumi-o:20211115093248j:image

本来ならコンサートの準備風景など颯爽とブログに書きたかったのですが、事前にお葬式が入ったりコンサートの次日に礼拝を弾くことになったり....複数の教会への往復だけでも結構なロス時間、そしてお葬式に急遽セッションすることになったバイオリン君とのリハーサルで余裕がなくなってました😿

コンサートについては最後にご紹介。

 

今日は主に教会オルガニスト(のお仕事の一部)礼拝の奏楽をご紹介してみたいなと思います。

教会オルガニストと合唱指揮者は分担されいることもありますが、基本的には一人で担い教会音楽家カントーア)といいます。教会音楽家はオルガン演奏、合唱指揮のリハーサル、その他雑務イヴェントなどの管理企画、時にC教会音楽家の指導などを担います。

私はプロテスタント(Evangelisch)なので、プロテスタントの教会での礼拝で奏楽させていただいてます。

 

プロテスタントとの礼拝とカトリックのミサの形式はかなり違いますし、同じプロテスタントでも州によって少し違います。

簡単に言ってしまうと、カトリックのミサよりプロテスタントの礼拝の進行は少し分かりやすく簡単な構成。

ですが、カトリックは初めから即興、典礼音楽が多いのに比べ、プロテスタントの礼拝では前奏と後奏にできればその節に相応しいオルガン楽曲を弾くことが望ましく、また私の奏楽をするプロテスタントは少しカトリックの名残を残し典礼音楽も少しあってどちらがどちらとも言えないなとも思います。

 

⚜️ある日の礼拝【聖餐式、洗礼式なしのノーマルなザーランド州のプロテスタント礼拝】⚜️

オルガン前奏 – 挨拶–典礼祈祷−讃美歌1–詩篇−Gloria Patri − 祈祷 − Kyrie eleison – 慰めの言葉− „Allein Gott in der Höh sei Ehr"− 今日の祈り– 聖句− Halleluja – 讃美歌2 − 聖書朗読 Lukas 17, 20-24 „Vom Tag des Menschensohnes“–Glaubensbekenntnis(信条告白) – 讃美歌3 − 説教 − 讃美歌4 – 執り成私の祈り − Vater unserer (主の祈り) − 報告 – 讃美歌5 – 祝祷 – Amen − オルガン後奏

 

ドイツのプロテスタントの礼拝では、オルガン前奏、後奏、賛美歌、典礼音楽を弾くのがオルガニストの仕事。

讃美歌の伴奏には伴奏に入る前にどんなメロディーでどんなテンポで歌うのかを皆さんに提示するためのIntonation(ここでは賛美歌を歌う前に演奏される小さな即興演奏)を準備して弾きます。

今回のように大きなオルガンで弾く奏楽では、プロの即興家みたいに演奏中にあのレジスター(音色のストップ←英語)入れてああしたりこうしたり考えながら即興、なんてかっこええねん!とは思いますが、まだ(と書いておきたい)そこは私には無理なんですね。

小さなオルガンにはそれほどレジスターがなく準備せずとも対応できるのですが、バロック仕様、ロマン派仕様の大きなオルガンでいろんな音色があると、もうああしたいあのレジスター使ってこんな雰囲気の即興にしようとちょっと頑張りたくなります☺️そして、規模が大きくなると余計に。

私はそのためのレジスターを完全に事前に記憶しておきたいんですね。歴史的な手動のオルガンは記憶するのはそもそも無理ですが....

 

ここで教会オルガニストたる方々の基礎能力として付け足したく…一緒に学んだ同僚はみんなだいたい10代から教会でミサや礼拝を聞き、早くて10代前半からオルガンを演奏し始めてます😂、私が大学を入った時点で同僚たちは即興の先輩ばかり!子供の頃から10年ほど毎週聞いて演奏してるのでだんだん耳が覚え、オルガンに慣れ親しみ弾くことも当たり前になってくるんですね🤓

そんなわけなので、奏楽しているドイツのオルガニストは賛美歌のメロディーはほぼ全て暗譜してる方ばかり。ハーモニーのバリエーションも豊富で演奏のことは考えずとも次に何するかを考えられてすぐ様対応、レジスターも遠いし手動の場合は引くのも重いし、鍵盤を移動したりと結構なアトラクション的胴体能力も必要。明確な判断に身体能力も軽くないと、鈍臭いタイプにはオルガニストってなかなか難しいと最近つくづく思います。

 

音楽は時間とともに流れ、ふとした迷いや慌て、ミスなどにかまっている時間もなく、常に先に先に考えていないといけないんですね。弾いて聞いて試して練習あるのみです。

 

そして賛美歌ですが、数回繰り返す場合は毎回違うバージョンの伴奏が望ましく、ソロパートはオーボエにして伴奏はフルート属とプリンシパル属にして、この曲の最後は少し煌びやかにトランペット入れちゃおうか!やら、このレジスター使いたいな、ならペダルのcantus firmus(低旋律)にするかな?とか色々考えながら、みんなに歌ってもらいやすくするにはどうしようかと考えるのが楽しいんです。

私も、いつか本当の即興演奏、演奏中に音色や音楽のことだけを考えられるようになりたい!と願いつつ毎回かわいい即興から挑戦してます。

ちょっと言い訳がましいけれど、ここJohanneskircheのKleukerorgelはどちらにせよ、私の小さい体と短い腕ではレジスターのボタンが遠いため、記憶している音色を足元にある(お腹あたりにあるボタンか)ボタンを蹴って送っていくしかないのです😁ドイツにあるだいたいのオルガンは私たち日本人の身体には大きすぎて、巨大船の舵をとる小人状態🤣

 

 

教会音楽家の大切な仕事には、オルガニストの他に教会の信者で結成された(信者でなくとも入会できる)合唱団の週に一度は行われる練習・リハーサルで指導をし、教会節の折に合唱の指揮、オルガン伴奏なども行っています。今回は通常の礼拝でしたが、クリスマスに近づき教会のChor達も出番が増えてきます。

 

また、教会音楽家の仕事には教会の音楽関係イヴェント企画も担いっており、教会でコンサートってオルガンの他に何があるんだ!って思いますよね?

 

ドイツの教会ではパイプオルガンの他に、バイオリン、フルートや声楽家とのソロ楽器とオルガンやチェンバロ伴奏のセッションや室内楽、合唱などなど、日本ではコンサートホールであるコンサートが献金というカタチで(時々チケットを販売していますがお財布に優しめ)素晴らしいコンサートがお気軽に楽しめます。クリスマスやイースターにはオラトリオや受難曲など、オーケストラと合唱という大規模な演奏会も。宗教曲に縛られずピアノや様々なクラシック音楽の演奏会も色々とあり自由です!私はこの文化が素晴らしいと思います🍀

もちろん、歴史と文化の背景から宗教とともにあるヨーロッパでは教会は身近であり、宗教に関係なく芸術や歴史的な建造物の一つという感覚でも教会へ足を運びやすい点は日本とは違うし、合唱団(大人から子供まで)やコンサート、芸術、展示会などもあり、ドイツでは特に親しみやすくなり、むしろ街のコミュニティセンターのような役割に近いかなとも思います。

 

しかもとてもリーズナブル(献金)なので、ここは、もうドイツ旅行、ドイツに留学中の際には是非ともフラッと教会をのぞいてみてほしい!

ことオルガンについては、歴史的なパイプオルガン自体が教会や大聖堂に建造されており、パイプオルガンと教会はまさに一心同体❗️

 

いつかサントリーホールのリーガーオルガン建造するにあたってのお話を聞いた際に、カラヤンのアドバイスの一言を思い出しました。

『オルガンのないコンサートホールは、家具のない家のようなもの。コンサートホール自体が、オルガンを供えた楽器なのです』

と言われたそうな。

 

オルガンは大きな空間、教会にあるからこそその音色を響かせられるので、まさに教会はオルガンと一体化した楽の器とも思います。

 

街はだんだんWeihnachtsmarkt(クリスマスマーケット)をたて始め、だんだんクリスマスモード🎄

去年は真っ暗闇の街が今年は活気を取り戻し灯りがともり始めてます。

そう、来来週はすでにAdvent (アドヴェント)へと突入です!

そしてオルガニストはなんだか心が踊り、何を弾こうかな、どんな奏楽にしようかなとワクワクしてきます♪ キリスト、メシアの誕生までの期間、アドヴェントについてはまた次回に🕊

 

🎶最後に先週末に私が弾いたプログラム🎵

  • Concerto a-moll BWV593 Bach
  • Wenn wir in höchsten Noten sein BWV 641 Bach 
  • Präludium und Fuge über B-A-C-H  Liszt

ちょっとだけLiszt🌹

https://www.instagram.com/reel/CWGQwrVI9ID/?utm_medium=copy_link

🎶

Bis dann 🌟