Café de Yumi

オルガニストYumiと音楽食住を語りあうCafé

Lisztのオルガン作品をご紹介🎶

Guten Tag みなさん!

10月も下旬になり、今日のドイツは4日前の嵐🌪のような一夜を明けてから更に寒くなり冬の足が近付いてきているのを実感🍁ヒートテックはすでにもう大活躍で、日本の秋が恋しいです🍂

ドイツにはもちろん台風はないけれど、時に荒れ狂う暴風や雷、打ち付ける雨で巷はパニック🤯 電車が止まったり、高速道路も大木が転倒したりで通行止め。ここSaarbrücken周辺では朝から消防車のサイレンが鳴り続きました。

一昨日の夕方空

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ところで、10月22日はかの有名な作曲家でピアニストであったフランツ・リスト(Franz Liszt)の誕生日でした。

210年前の1811年ハンガリー王国で生まれ1886ドイツ帝国バイロイトで亡くなりました。音楽人生のほとんどが、ドイツやオーストリアで過ごし活躍したため(ローマで僧になる時期も)ドイツの音楽家のような位置付けに。

余談ですが、Liszt の娘コジマさんはワーグナーの最後の妻で、Liszt & Wagnerなんて世界最強音楽ファミリーやん!?!LisztもWagnerも男前で大人気、でもってもちろん女性大好き、素晴らしい音楽家の人生の物語だからこそ?背景には壮絶な愛🖤❤️‍🩹のドラマが...このネタで一本映画🎞が作れるのではないかというくらいの愛と嫉妬、複雑な人間関係の物語が展開されたことは確かのようです。っと、こういうテーマが大好きなので戻れなくなりそう…

解りやすくリストについて書かれたサイトを(勝手に)拝借⬇️

classical-music.fun

Lisztは私も敬愛する作曲家、ピアニストのうちの一人。

彼の超絶的なピアノテクニックに当時では『ピアノの魔術師』と言わられたほどのピアニストでした。

私めもピアノを弾いていたわかーい頃、Lisztの作品に心が燃え❤️‍🔥憧れ猛練習しました。

クラッシックやピアノ曲がそんなに身近にない方でさえも、どこかで聞いたことあるぞ?なくらい日本でもよく馴染みのある曲で、知られている作曲家の一人だと思います。特に、La Campanella(ラ・カンパネッラ)やLiebesträume(愛の夢)、Ungarische Rhapsodien(ハンガリー狂詩曲)など。 

 

そして、本題はというと、Lisztはオルガンのための素晴らしい作品も作ってるんです✨というのが今回のテーマ😚

 

今回はおすすめのオルガン曲(個人的に抜粋)をご紹介。

 

♫Präludium und Fuge über das Thema B-A-C-H (S.260i)【バッハの名による前奏曲とフーガ】

恐らくオルガン曲の中でも一番知られている曲。この作曲のきっかけは、ドイツのメルゼブルク大聖堂のLadegastorgel(ラーデガストオルガンはLisztオルガンとして有名)の落成式のため作られました。B-A-C-HとはJ.S.Bachへのオマージュとしてテーマになり最初から最後までドラマチックかつ劇的なリスト風シ♭-ラ-ド-シ(移動ドでも)が繰り返されます。

Lisztは作曲後に編集や改訂を繰り返しては世に出したため、同じタイトルの曲がいくつかある上に、ピアノ版、オルガン版とあり、聴き比べも興味深い作品。

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Merseburger Dom Ladegastorgel 

 

♫ Fantasie und Fuge über den Choral Ad nos, ad salutarem undam 【コラール『アド・ノス アド・サルタレム・ウンダム』による幻想曲とフーガ】

ワーグナーのオペラ「マイヤベーア」の中の"預言者"の肖像からの30分の大曲を編曲...というか、導入部のChoral(コラール・合唱)をテーマに3部の幻想曲・アダージョ・フーガへと変奏曲にした感じです。

Ad nos, ad salutarem undamはラテン語で、日本語訳は「私たちへ、魂の救いを求める人達へ」という宗教音楽なのですが、Lisztの手にかかると、宗教色というよりもこのテーマをドラマチックで華麗、重厚で重苦しい悲壮感や情感を見事に楽譜へと魂が吹き込まれ、聴き応えがある素晴らしいオルガン作品であることを保証いたします。オルガニストとしては更にオルガンのストップ(オルガンの音色を決める)選びも興味深い重要なポイントに。

この曲には、オルガン独奏、オルガン四手、ピアノ四手の連弾バージョンがあり、その中でもオルガン独奏バージョンがよく弾かれるのは、オルガニストにとって憧れのオルガン曲なんです。

Lisztも自身のオルガン曲の中で一番の自信作✨と言ってたそうです👏

 

♫ Weinen, Klagen, Sorgen, Zagen 【バッハのカンタータ『泣き、歎き、憂い、怯え』とロ短調ミサ「十字架に付けられ」の通奏低音による変奏曲】

基本はバッハのカンタータからの変奏曲なので、リスト版バッハのカンタータ

タイトルの通りキリストが十字架に付けられる際の語りと想いをこめたカンタータは、悲しく、重たーく、音符の進み方も何か"十字架を背負ったキリスト"を連想させられるようで、和声的にも不協和音の連続なのですが、最後のコラール"Was Gott tut, das ist wohlgetan"のコラールが始まると涙が溢れそうに😢(個人的意見)

Andreas Rothkopf のOrgan Works vol.I "Weinen, klagen, Sorgen, Zagen" このCD録音には他にPräludium und Fuge über das Thema B-A-C-Hも収録

www.youtube.com

 

更にこれまでに様々なオルガニストが、Lisztの音楽性、その感性の素晴らしさや技法に魅せられオルガンで表現すべくLisztの宗教曲やピアノ曲をオルガン作品へ編曲しています☺️

 

続いて、編曲バージョンのおすすめ

 

 Les Préludes 【レ・プレリュード】 

この Les Préludesは、Lisztの13ある交響詞のなかでも代表的で、Lisztの思想が詰まった作品、生きるプロセス(争い、(人生の)嵐、愛の喜び、痛み、慰め、自然体験)が死への旋律への前奏曲であるという人生観が込められています。その代表作をHelmut Deutschが1999年に編曲し世に送り出しました。素晴らしいご自身の編曲をご本人が演奏されている姿がYoutubeで見ることができますので是非とも試聴してみてください。

 

♫ Sonate h-Moll 【ピアノソナタロ短調

Lisztのピアノ曲で有名なピアノソナタロ短調がオルガン曲へと編曲されており、Bernhard HassとAndreas Rothkopfの2バージョンあります。Rothkopf氏はピアニストとしても素晴らしいオルガニストで、かなり長い間この曲を温め2018年に出版。

作曲当時、LisztはWeimar(ヴァイマル)の宮廷楽長で、この頃からキリスト教に題材を求めた作品が増えローマに移り住み僧にまでなったそうで、かつてBachもWeimarの宮廷オルガニスト兼宮廷楽師を勤めていた経緯もあり、Bachの音楽や宗教上で何か通じるものがあったのではないかなとも。

 

Lisztは当時も有名なピアニストだったので、ピアノの作品を多く作っていますが、時に交響曲などを即興でピアノで弾いた際には手が足りないー❗️💦と言っていたそうで...このロ短調ソナタの楽譜を見ていても音の幅、和声の幅が広く、もしLisztがオルガンの魔術師のように操ることができていたら...どうだったのだろう!!と超絶興味深いテーマが勝手に展開しそうに。

Lisztの曲は、ピアノで弾く方がしっくりくる曲、ピアニストだったからこそというのはありきの上でも、上記の曲はピアノでは表現しきれない要素を含んだ作品だと私は感じていて、是非ともオルガンバージョンで聞いてみていただきたいなと切望します!

 

と言っても、いくらここで音源をご紹介してもスピーカーを通すと台無しに...😢教会での録音、オルガンの構造上音響、繊細な音、迫力は聞き取れません。素晴らしさをお届けしたいのに、そうもいかないのが建造物であるパイプオルガン🏛

 

大きくなるとまるで教会の中に教会?お城?ドデーンッ!!

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Schweriner DomのLadegastorgel

💮オルガン演奏は生演奏に限るんです!

 

organguide.exblog.jp

ということで、日本にも素晴らしいオルガニストがたくさんいらっしゃって、オルガンの演奏会がコンサートホールや教会で開かれているので是非とも聴きに、いえ、癒されに行く感覚で足を運んでみていただきたいです ♫🤎🎶💛♪

 

今日はここで失礼します🕊

引き続き季節の移り変わり、お体に気をつけてお過ごしくださいね🤗